人工透析について

肝腎要(かなめ)」の言葉の通り、腎臓は重要な臓器です。腎臓の主な働きとして以下のようなものがあります。

  • 尿をつくりだし、老廃物や余分な水分を対外に排泄する
  • ミネラル(電解質)バランスを調整する
  • 血圧を調整する(血圧を上げる物質と下げる物質の両方をつくりだす)
  • 赤血球をつくる
  • カルシウムの吸収を増加させるビタミンD3を活性化するなど
  • 腎不全とは

    さまざまな原因により、腎臓の働きが不十分になった状態を腎不全といいます。
    腎臓の働きが低下すると、本来尿として出るべき老廃物や余分な水分が体に溜たまります。また血圧調整がうまく行えず高血圧になったり、血液が薄まったり(貧血)などの症状が出始めます。腎不全の末期状態になると、「尿毒症」となり呼ばれる状態となり、だるさ・吐き気・食欲不振・頭痛・呼吸困難などのさまざまな症状が出ます。

    人工透析

    腎不全の方において、腎臓の機能を人工的に代替する医療行為のひとつです。現在全国で約30万人が透析療法を受けています。人工透析には血液透析と腹膜透析の2つの療法がありますが、血液透析を行う人が圧倒的に多いのが現状です。当院では血液透析療法を行っております。

    血液透析とは

    血液を体の外に取り出して、血液透析器(ダイアライザー)を通すことで血液中の老廃物や過剰な水分を取り除き、浄化された血液を体内に戻す治療法です。血液を体外に取り出すために、腕の静脈と動脈をつなぎ合わせる手術が必要となります。当院では、血液透析療法を行っております。

    バスキュラーアクセス(シャント)手術

    当院では血液透析を行うために必要となるバスキュラーアクセス(シャント)の手術を行っております。シャント手術とは、静脈と動脈を縫い合わせて繋ぎ、動脈血を直接静脈に流す手術です。

    シャントは時に流れが狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)することがあり、透析ができなくなることがあります。当院ではこのようなトラブルに対してシャントPTA(経皮的血管形成術)も行っております。血管内に(先端に風船が付いている)バルーンカテーテルを挿入し、狭窄・閉塞した箇所でバルーンを拡張させて内側から血管を広げる方法です。